猫の尿道閉塞軟部外科手術
尿道結石(オス猫の) 古くて新しい手術の方法
オス猫の尿道結石は、主に砂のような結晶が尿道に詰まって閉塞を起こすタイプと、1-2ミリの小さな石が詰まって閉塞を起こすタイプがあります。
どちらの場合も尿道閉塞になると排尿できず、腎数値が急上昇するため命にかかわらう病気です。そのため、尿道閉塞をどうしても解除することができない場合や、繰り返し閉塞を起こす場合には手術で尿道を広くして、閉塞しにくくする必要があります。
以前はこの方法はやむにやむをえず行うような手術でした。というのも、手術の後は新しく作った尿道口を守るため、猫舐めないようにカラーをしなくてはいけないことが大半だったからです。それでは猫の生活が大幅に制限されてしまいかわいそうだという事と、舐めてしまう事で合併症が多かったという理由がありました。
当院で行っている新しい方法で手術をすると、見た目はほとんど変わらず、ほとんどの猫で1週間ほどでカラーを外すことができます。その後は手術前と全く変わらない生活ができるため、ぎりぎりまで待って手術をするというよりも、もっと早い段階で手術を検討していただけるようになりました。
猫の尿道結石は体質もありますが、ほとんどの猫は神経質でこわがりな性格も災いして重症になってしまいます。冬場は特に増える病気です。「去年もなってしまった」「もう3~4回繰り返してしまっている」という方は一度ご相談ください。手術が本当に必要かどうか診させていただけたらと思います。