外科(軟部外科)
軟部外科(軟部外科手術)とは
軟部外科って何? と思われるかもしれません。
簡単にいうと骨折などの整形外科、脳神経外科、心臓外科を除くすべての病気に対する外科手術のことです。
軟部外科手術は口、首、胸の中外、お腹の中、骨盤からお尻、尻尾、前足も後ろ足も、上記以外なら何でも担当します。手術は様々な腫瘍を取り除いたり、呼吸しやすい様に気道を広げたり、皮膚の欠損部を形成したり、泌尿器系の病気を治したりと様々です。そのため闇雲に手術をすればいいというわけでなく、本当にその手術が必要なのかどうかということを判断して行わなくてはなりません。
最終的に判断されるのはオーナー様になります。もちろん手術をしないということも、重要な選択肢の一つです。その場合もできる限りの治療のご提案をさせていただきますので、ご安心ください。
手術について
いりえ動物病院の
手術への取り組み
麻酔前の検査は非常に重要です。
検査を行った上で麻酔が安全かどうかご説明しながら手術のご説明を行います。
どの様な病気でも手術の方法は一つではありません。その時の状態や予後にあった手術をお勧めしていきます。また病気を治すのが手術の1番の目標ですが、軟部外科や腫瘍外科で根治が望めない場合でも、痛みや不快感を取るだけの手術もQOLを上げる重要な方法となります。
オーナー様が納得のいく説明をさせていただいて手術に進みますので、わからないことは遠慮なくご質問ください。
各種検査について
検査は院内にて行ないます。その日のうちに結果をお知らせいたします。
■主な検査項目
- 聴診・視診・触診など、身体全体を目で見たり直接触れたりしながら、異常の有無をチェックします。
- レントゲンで撮影した画像をもとに、気管・肺・心臓などを評価します。循環器系や呼吸器系に関して、病気および異常の有無を診断できる検査です。
- 血液検査では赤血球や白血球の数から、貧血や炎症の有無などが明らかになります。また、内臓の状態を把握するには、生化学検査が欠かせません。全身の栄養状態はもちろん、肝臓や腎臓の検査が可能です。また、必要に応じて、ホルモンの検査も行います。
ネコちゃんの場合は、猫エイズや猫白血病ウイルスの検査が必要です。 - レントゲン検査や血液検査で異常がみられる場合、超音波検査により心臓の機能や腹部臓器の状態を明らかにします。
全体の検査結果から問題がない場合は、麻酔を用いた治療を進めていきます。
安全性の高い麻酔への取り組み
「昔飼っていた子を麻酔で亡くしてしまった」という声を聞くことがあります。
ここ10数年での獣医での麻酔の安全性は進化しており、疼痛管理をしっかり行うことで質の良い麻酔が確立されてきました。
当院でも避妊去勢手術から疼痛管理をしっかりと行いつつ、当日または翌日にはお家でゆっくりできる手術を心がけています。もちろん100%の安全性がされていませんので、リスクの高い手術の場合には、麻酔に精通した獣医が立ち合う「特別全身麻酔」も設けました。
避妊・去勢手術
避妊手術
獣医の一番基本となる手術ですが、色々な経験をすると避妊手術の難しさが身に沁みて分かりました。
そのため当院では院長が執刀させていただきます。経験豊富な医師にお任せください。
また避妊手術をするか迷われている方がいらっしゃいましたら、遠慮なくご遠慮なくご相談ください。迷われるのは当然のことですので、どんな状況であっても、何歳であっても、手術をした方がいいかどうかのアドバイスができると思います。
去勢手術
去勢手術に関しては手術自体に賛否両論があり、基本的に強くはお勧めしていません。
ただし、犬と猫の男の子たちはインドアの狭い空間で縄張りを意識することで、しばしば問題行動を起こすことがあります。また前立腺疾患や繰り返す膀胱炎尿石症、会陰ヘルニア、といった男の子特有の病気には去勢手術が必要です。
こんな歳で手術をしてもいいのだろうか? というご質問もよく聞かれます。
またご家族の中で手術を反対されている方がいる、というのもよく聞く話です。
病気の有無や年齢に関わらず、去勢手術が必要かどうかわからない方は、一緒に疑問を解決した上で手術が必要か考えましょう。
主な手術実績
2020年~2022年
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胆嚢摘出 57 SUB 46 会陰尿道造瘻 27 子宮卵巣摘出 23 膀胱切開 23 PSS 21 脾臓摘出 18 肝臓切除 15 腸管切開 14 尿管切開 11 抜歯口唇フラップ形成 11 甲状腺摘出 10 腸切除吻合 10 皮膚腫瘤切除 10 会陰ヘルニア整復 9 乳腺腫瘍切除 9 卵巣摘出 9 膀胱部分切除 9 胃切開 7 Tie Back Procedure 6 Ventral slot 6 横隔膜ヘルニア整復 7 鼓室胞掻把 6 口腔内腫瘤切除 6 腎臓膀胱バイパス 6 断脚 6 片側椎弓切除 6 膀胱腹壁瘻 6 経腸チューブ設置 5 結腸固定 5 全耳道切除 5 尿管切除吻合 5 肺葉切除 6 陰茎切除 4 精管固定 4 鼠径ヘルニア整復 4 唾液腺切除 4 胆管ステント 4 胆管切開 4 皮膚フラップ形成 4 雄犬の会陰尿道造瘻 4 雄犬の尿道切開 4 胃穿孔整復 3 胃瘻チューブ設置 3 上皮小体摘出 3 -
食道狭窄拡張 3 食道穿孔整復 3 前縦隔腫瘍摘出 3 軟口蓋切除 3 腹壁ヘルニア整復 3 肛門嚢切除 3 胃捻転整復固定 2 永久気管開窓術 2 去勢手術 2 十二指腸穿孔整復 2 腎臓摘出 2 大十二指腸乳頭切開 2 断指 2 断尾 2 直腸プルスルー 2 直腸瘻整復 2 傍前立腺嚢胞切除 2 膣腫瘍切除 2 AUS 1 胃空腸バイパス 1 陰嚢ヘルニア整復 1 陰睾手術 1 眼瞼腫瘤切除 1 胸管結紮・乳糜槽破壊 1 胸壁切除再建 1 結腸亜全摘 1 骨盤腔内腫瘍切除 1 子宮体部吊上術 1 子宮断端腫切除 1 子宮卵巣切除(遺残) 1 子宮卵巣摘出(癒着) 1 前立腺嚢胞造袋術 1 大脳腫瘤切除 1 胆管空腸吻合 1 胆管十二指腸吻合 2 尿道口切除形成 1 鼻咽頭ポリープ切除 1 鼻孔形成 1 副腎腫瘍切除 1 腹腔内リンパ節摘出 1 腹腔内腫瘍切除 1 腹腔内膿瘍ドレナージ 1 腹腔内縫合糸反応性肉芽腫切除 1 包皮切除形成 1 肋骨腫瘤切除・胸壁再建 1
2023年~
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胆嚢摘出 9 子宮卵巣摘出 12 膀胱切開 1 脾臓摘出 1 肝臓切除 12 腸管切開 3 抜歯口唇フラップ形成 3 甲状腺摘出 1 会陰ヘルニア整復 1 卵巣摘出 13 胃切開 1 横隔膜ヘルニア整復 1 口腔内腫瘤切除 1 腎臓膀胱バイパス 1 結腸固定 1 肺葉切除 2 陰茎切除 1 精管固定 1 雄犬の会陰尿道造瘻 1 上皮小体摘出 2 去勢手術 3 直腸瘻整復 1 眼瞼腫瘤切除 1