ガン軟部外科手術
皮膚移植をして手術をする
イヌやネコも皮膚移植をすることがあります。それは手術で切除すると傷が大きすぎて縫い合わせられない場合や、かかと・肘などの大きく動くところの手術で術後に傷が開いてしまうのを防ぐ場合、顔まわりで手術後に顔が引きつれたりしないようする場合です。

前述のように猫のかかとは最も傷が治りにくい場所で、腫瘍も広い範囲で切除の必要がありましたがどうやら骨や関節にはつながっていないようでした。腫瘍が骨に達している場合、足を失う手術(断脚)をしなければなりません。しかし皮膚であれば足は残して普通の生活をさせてあげたいですし、もちろんカラーも包帯もなしで生活させてあげたいです。そこで再発しないように腫瘍は大きく切除し、皮膚移植をする手術をしていくことになりました。

イヌやネコの体の表面には皮膚移植に適した部分が何カ所かあり、それを知っていれば皮膚移植をしてあげることができます。この猫さんも移植した皮膚がしっかり生着してくれて手術から14日目には抜糸も出来ました。まだオーナーさんの目が届くときだけですが数カ月ぶりにカラーを外すことができるようになりました。


すべての皮膚移植がこんなに順調に進んで2~3週間で治ってしまうわけではありませんが、移植計画を立てて粘り強く治療していけばイヌやネコをカラーから解放してあげることは可能です。また元凶である腫瘍をあきらめずに治療できます。この猫さんは手術した時が15歳のお誕生日を迎えたばかりの時で、これを書いているのは手術から240日目ですが、再発も転移も歩き方の異常もなく快適な毎日を過ごしています。15歳であきらめずによかったですね。
